再考・『君たちはどう生きるか』(3)
丸山真男の「内省」 前回は、丸山真男の「解説」を直接引用しながら、その「構図」を抽出しました。モラルに関わる個人的な経験を社会科学的認識にまで持ってゆくという「構図」から引き出されるのは、「主体性」という課題でした。今…
丸山真男の「内省」 前回は、丸山真男の「解説」を直接引用しながら、その「構図」を抽出しました。モラルに関わる個人的な経験を社会科学的認識にまで持ってゆくという「構図」から引き出されるのは、「主体性」という課題でした。今…
丸山真男の考察における「構図」 最初に、前回の内容をおさらいします。前回の記事では、コペル君が「絶望」から「真実」をつかんだことを証明するべく、小説の著者である吉野源三郎の経歴を明らかにしました。実は、吉野自身が、「絶…
なぜ取り上げるのか 表題の通り、記念すべき最初のシリーズでは、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を取り上げます。1937(昭和12)年に出版された同書は、2017年に漫画化されてベストセラーとなっており、現在同書の再評…