もうほとんど、新聞も論文も読まなくなった。田畑だけ耕している。
ただ、仕事をするときに、空気だけは読まなくてはいけないようだ。
さて、本題だが、昔博士課程に在籍していたとき、私の遅筆ゆえに、関係者から「叱咤激励」を受けたことがある。
あんな本を時間かけて読むなんて、お前暇だよな~、いいな~
みたいな感じだった。
業績が多いのは、別に悪いことではないのだが、その関係者たちに限って言えば、私とは本の読み方が違っていた。
彼らは、他者の考えに触れても、自分の経験と照らし合わせるという行為をしていなかった。
断りを入れておくと、私にはそのように見えた。
はしがきやあとがきで、一生懸命資料は探しました、苦労しましたとか書いてやがる。
私が読みたいのは、人生の「苦悩」が書いてある本だ。